「退職代行を利用する人はクズだ」という意見があることご存知でしょうか? その批判の背景にはどのような思いがあるのでしょうか。この記事ではその背景にあるものをわかりやすく解説したいと思います。
終身雇用制も崩壊し、コロナ禍の社会の中、働き方も会社とのかかわり方も変化し、その流れで「退職代行」の利用者は増えてきました。一方で「自分の退職は自分自身で会社へ告げるべき」という意見が存在します。
しかしながら、実際のところ、退職を自分で伝えることがなかなか難しい状況は数多く存在します。たとえば、上司から退職を思いとどまらせる退職慰留の場合や、パワハラまがいの精神論を押し付けて聞く耳をもってもらえない、また、メンタル不全に罹患していて精神的にまいってしまっているときなど等があります。
退職代行は、そのような厳しい状況にある人達の強い味方となるでしょう。しかし、それが「クズ」扱いされる理由とは何でしょう? それは一部の人々が退職代行を「責任を放棄して逃げる手段」と解釈しているからです。
また、退職代行がクズとされる理由と、その背後にある現実、さらに退職代行を利用する人々が直面する現実についても詳しく説明します。退職代行をクズと考える人と、それを必要とする人々、その間にある溝を理解することであなたの視野が広がることでしょう。どうぞ、最後までご一読ください。
「退職代行=クズ」と考える理由
退職代行サービスに対する意見は分かれます。一部の人々は退職代行を利用する人を「クズ」と評し、その行為を批判します。それはなぜなのでしょうか。ここでは、「退職代行=クズ」という見方の背景を解明し、それがどのような社会的なルールや常識から生じているのかを探ります。
1.年配の方の常識では退職代行を使うことは社会人として無礼という考え
一部の人々は、自分で辞める意志を直接伝えるのではなく、退職代行サービスを通じて伝えることを無礼と考えています。ここで言う"無礼"とは、一般的には礼儀を欠いた行為やマナー違反を指す言葉です。
退職代行サービスは、従業員が会社に退職の意志を伝える役割を果たします。しかし、この役割を第三者に委ねることは、直接自分の口から辞めると伝えるという一般的なマナーを無視する行為と捉えられています。
通常、自分で直接その事情を伝えるべきですが、友人に伝えるという行為は一部の人々からは無礼と捉えられるでしょう。しかし、それは一部の人々の見解であり、全ての人が同じように考えているわけではありません。
2.引継ぎなしで退職代行でいきなり辞めるのは無責任
自分の意志を直接伝えるという責任を果たすべきだという考え方があり、その観点から、退職代行サービスを利用すると、従業員はその責任から逃れると見なされます。伝えるという責任があると一部の人々は考えています。それを退職代行に委ねることでその責任を回避するとみなされるのです。その結果に対しては自分が責任を持つべきです。
しかし、退職代行を利用する人々には、それが最善の選択であり、自分の健康や精神的な状態を守るために必要な行動だと考えている人もいます。
3.退職代行という制度がまだ世の中に広まっていないから
退職代行サービスは比較的新しいサービスであり、一部の人々はまだその存在を知らないか、またはその利用に慣れていないため、それが「クズ」行為とみなされることがあります。 新しい事物やサービスに対する理解や受け入れは時間がかかります。
人々は何に対しても慣れるまでに時間を要し、新しいものに対しては最初は警戒心を持つことがあります。それは退職代行サービスに対しても同様で、その存在や役割を理解していない人々からは、その利用を否定的に捉える傾向があります。
。しかし、時間が経つにつれて、退職代行サービスの利点とその役割が広く理解され、受け入れられるようになるでしょう。
現にYahooニュースで"働く女性の6割が「退職代行を使ってみたい」その理由はあの権利の行使"というForbes JAPANの記事が国内トップニュースとして扱われていました。
まず、周りに退職代行サービスを利用して退職した人がいるかどうか尋ねると、「いる」と答えた人は約1割(13.4%)にとどまる結果に。まだ働く女性にサービスの活用が広まっていない状況が、明らかになった。 続けて退職代行サービスを使ってみたいかを質問すると、最多が「場合によっては使ってみたい」で54.8%。「ぜひ使ってみたい」(4.1%)「すでに使った」(2%)と合わせると、約6割(60.9%)の人に退職代行サービスの利用意向があることが判明した。 サービスを使ってみたい理由としては、1位が「有給消化や退職金など権利を行使して辞めたい」で42.8%に上ったほか、2位「退職交渉は気まずい」(42.2%)、3位「退職の意志を伝えると、退職日まで不当な扱いを受けそう」(36.4%)の順に。
引用元 Forbes JAPAN
女性の6割が退職代行サービスを使ってみたいという内容でしたので、退職代行サービスの世の中の認知度が急激にあがってきていることがわかります。
退職代行サービスに関する周りの声
一方で、退職代行サービスを利用する人々も増えてきており、なぜこのサービスを選んでどのような経験をしたのかを知ることで「退職代行サービス」に依頼する背景がみえてくると思います。ここではTwitterでの実際の声をいくつか紹介します。
直属の上司が話を一度受け止めてくれる人だったらまた違うのかも、、
繁忙期に急にやめられたら現場が回らないから駄目だとおもいつつも、ついたらい回しにしてしまう上司の気持ちもわかるのですが、、それは結果として労務管理の責任放棄で更に現場が崩壊してしまいますよね
パワハラ上司なんて怖すぎです、、
こんな時こそ自分を守るために専門家に相談するタイミングだとおもいます
急激な社会の変化に伴い退職代行が普及しはじめる
退職代行サービスの認知度の広がりは、終身雇用制の崩壊やコロナによるテレワークで会社との関りが昔よりも薄くなってきているのと関係があるのかなと感じます。
毎日顔を合わせていればちょっとした会話で簡単に解決できることもテレワークの普及で解決の機会をなくしてしまっているように思います。
精神的に調子悪いときにこんなこといわれたら浮上できないです
会社のルールブックである就業規則に4日以上欠勤は診断書の提出が必要というルールになっている会社も少なくないので、少しお金はかかるけどこういうときこそ先生に診断書をかいてもらうのがいいとおもいます
診断書って自分を守る意味合いでも必要になる場面があるのですね
退職代行サービスを使わざるを得ないケースは辞める本人より会社にその理由があってそれが退職代行サービスが増えている背景となります
退職代行サービスの選び方
さて、ここでは退職代行サービスを利用する際、ネットでしらべてみるとたくさんの退職代行サービス業者がでてきます。正直いってどこがよい業者かの判断がつきにくいと思います。はたしてどうやって信頼できるサービスを選ぶべきなのでしょうか。他の人々の評判や口コミは業者によっては自前のサクラ記事もあり、特にわかりづらいと思います。で。
ここでは退職代行サービスについてまとめた記事が、下記の【社労士監修】損をしない退職代行サービス3選となりますのでご参照ください。
まとめ
最後に、「退職代行=クズ」と退職代行サービスを利用することが「クズ」と見られる理由を以下にまとめてみました。
- 「退職代行は無礼」という意見は退職を自分で伝えるのではなく、退職代行サービスを利用することを社会人のマナーとして無礼であると考える従業員による不満や不信感からになります。
- 「退職代行で辞めるのは無責任」という見解については、引継ぎなどをしないまま退職代行サービスを利用してその日にやめてしまうことが無責任と見なされています。
- 「退職代行サービスの認知が低いから」: 利用者が増えているとはいえ、退職代行サービスはまだ一部の人々にしか認知されていないのが実状です。そのため、訳がわからない業者から本人に代わって退職の連絡が会社に来るということがまだ一般的ではないという意見からです。
上記の理由が「退職代行=クズ」という感じに見えてしまっているものになります。一方、退職代行を使わざるを得ない状況という面が上記からは抜け落ちてしまっています。
つまり、退職代行を使う理由の1つに会社の従業員に対する姿勢などがあげられます。従業員の声に真摯に向き合っていなかったり、パワハラやたらい回しなどで誠実に対応をしていないなどがある場合は退職代行サービスを使わざるを得ないことがあることもわかりました。
また、自身がメンタル不全などでなかなか思ったとおり対応ができない場合なども、退職代行サービスを使った方が精神的な負担が少ない場合もありますので、自分を守るためにと考えた場合には退職代行サービスを利用した方がよい場合も多くあるということがわかりました。