退職問題

【社労士監修】退職の意思をLINEで伝えるときのポイントと例文

退職は誰しもが経験する人生の節目の一つですが、その際にLINEを使って退職報告をする人も増えてきました。しかし、LINEでの退職報告にはどのようなポイントがあり、どのように文面を書けば相手に失礼のない報告ができるのでしょうか?

また、退職報告後にはどのようにフォローアップをすればいいのでしょうか?本記事では、LINEでの退職報告に関する注意点や例文を紹介し、円満な退職をするためのノウハウをお届けします。

LINEでの退職報告のポイント

退職ををLINEで伝えるのはあり?

答えは法律上は有効。退職の意思を伝達させるという意味では有効です。しかし、社会人としてのマナーとしてはあり得ないと思う人が多いのが事実です。

LINEでの退職報告のメリット

LINEで退職を伝える1番のメリットとしては、退職を伝える際の心理的なストレスを軽減させることができる点が挙げられます。特に多いのは直属の上司が圧が強い場合などは強引な引き留めにあってしまう可能性があります。本来は直接上司に退職についてつたえるべきですが、勢いが強い上司の場合、パワハラになってしまっているケースもあります。

ポイント

✅退職を伝える際の心理的ストレスの軽減

✅強引な引き留めでなかなか退職できないことを避ける


✅退職を伝える際のパワハラを回避することができる

LINEでの退職報告のデメリット

一方で、デメリットとしては、LINEの場合、メール同様ですが相手の反応が見えづらくメール以上に相手に対して不誠実な印象を与える可能性が大きく、感情的にさせてしまう点がデメリットとして考えられます。

デメリット

✅上司が年配の方だと不誠実であると決めつけられ感情論に発展してしまう可能性がある

✅LINEそのものが退職の意思表示を会社へ伝えた証拠になるのでLINEが消えてしまった場合は証明不可となる

✅古い会社だと前例がないとのことで退職の意思表示が弱いものと決めつけられてしまう

退職の報告のタイミングと相手の選び方

退職を伝えるタイミングは、退職を決意したらできるだけ早めに行うのがよいでしょう。また、退職を伝える相手としては社内の事務手続き上直属の上司に限りますが人間関係によっては先にお世話になっている先輩に先に伝えておくことなども退職までの間の人間関係において重要な場合があります。

やめ太郎くん

上司が圧が強くて苦手なので直接社長にLINEをしてもいいんですか?

法律的にはOK、ただし、円満退職を目指すなら直属の上司の山越えは感情的になりやすいのでNGかな

法務子先輩

円満退職を目指す場合のポイントは以下の【社労士監修】退職を伝えるのが怖い?退職の伝え方のコツをご参照ください。

退職報告の例文

上司に報告する際の例文

△△様

お疲れ様です、○○です。
お忙しいところ失礼致します。
このような形での報告になり大変心苦しいのですが、
この度、一身上の都合により令和○○年△月△日をもって退職とさせて頂きます。

なお、誠に勝手ながら令和○○年△月×日から退職予定日までの出勤予定日に関しまして
残りの有給休暇を消化して頂きます様、お願い申し上げます。

退職届につきましては、後日郵送にてお送り致します。
また、保険証につきましては退職後に改めて郵送にて返却致します。
今までお世話になりました。本当にありがとうございました。
今後、皆様の益々のご活躍をお祈り申し上げます。

退職の意思表示はどのような文章でも構いません。上記の例文をご参考にしてください。

LINEでの退職報告の後の対応

退職報告をLINEで行った場合、その後の対応もしっかりと行うことが重要です。念のため、退職の連絡を送信し、既読表示された画面を保存しておくとよいでしょう。

法務子先輩

既読になったということはLINE上の退職の意思表示が相手に伝わったという証拠になります

ポイント

ここで重要なのは、

1)いつ?

2)誰に?


3)退職の意思表示の内容を送信しているか?

4)前後の会話の文脈

これらが証拠として大切なので画面の写真が何枚にも分かれるようであれば前後の文章をかぶらせながらスクショするとよいでしょう。

LINEで退職を伝えた後のアフタフォロー

LINEで退職を伝えた後、会社から返信等があったら丁寧に対応をしていきましょう。退職日の相談や引継ぎのスケジュール、有給休暇の消化の確認や退職金がある会社は退職金について事務連絡として淡々と進めていくことがポイントになります。

しかし、相手が感情的になっている場合などがあります。万が一、強引な引き留め策や退職を認めないなどパワハラまがいのことをされそうな場合は退職代行サービスの検討しても良いと思います。

退職代行サービスの検討は以下の【社労士監修】損をしない退職代行サービス3選をご参照ください。

まとめ

まず、LINEでの退職報告を行う場合のポイントとして、メリットとデメリットがあります。メリットとしては、上司の勢いが強い場合などは退職を伝える際の心理的ストレスを軽減させることができることや、万一、パワハラをしてくる上司の場合はそのパワハラを回避し、かつ報告ができることが挙げられます。

一方、デメリットとしては、会社から一般常識がないと感情論に発展してしまう場合があることや、伝えたい内容が伝わりにくいことがあります。

退職報告のタイミングは、できるだけ早い段階で報告するのが望ましく、また、報告する相手については、直属の上司や人事権を持つ役職者に報告することが一般的です。

また、LINEで報告した後の対応については、返信が来なかった場合でも退職の意思表示は会社に伝えているので心配する必要はありませんが、返信が来た場合は丁寧な返信を送るようにしましょう。また、フォローアップも重要であり、相手の都合に合わせて行動するように心がけましょう。

以上が、LINEでの退職報告についてのポイントや例文、対応方法についてまとめた内容となります。

Q&A

Q1. LINEでの退職報告を拒否されたらどうする?

A1. 退職の意思表示は有効です。LINEでの退職の報告であっても退職の意思表示には変わりがありませんので、会社がLINEという手段が非常識であるという理由で拒否することはできません。

Q2. 退職報告のタイミングはいつが良いの?

A2. 退職の報告は会社の就業規則を確認しましょう。だいたい退職日前1ヶ月~3か月と記載されているでしょう。なお、民法上は退職日から2週間前であれば可能とありますが退職トラブルになることが非常に多いため、会社のルールブックである就業規則に従うのがベターとなります。

Q3. LINEで退職報告をした後、相手からの返信が来なかった場合はどうすれば良いですか?

A3. 既読マークがついていれば退職の意思表示は会社に伝わっている証明となります。退職の意思が伝わった前提で一定期間を置いてから再度退職日等の確認を取ることをおすすめします。ただし、相手が忙しい場合もあるので、焦らずにじっくり対応していきましょう。

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